■軽犯罪法について
第一条 各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
一 人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者
二 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を
加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
三 正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに
使用されるような器具を隠して携帯していた者
四 生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を
持たない者で諸方をうろついたもの
五 公共の会堂、劇場、飲食店、ダンスホールその他公共の娯楽場において、入場者に対して、
又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、飛行機その他公共の乗物の中で乗客に対して著しく
粗野又は乱暴な言動で迷惑をかけた者
六 正当な理由がなくて他人の標燈又は街路その他公衆の通行し、
若しくは集合する場所に設けられた燈火を消した者
七 みだりに船又はいかだを水路に放置し、その他水路の交通を妨げるような行為をした者
八 風水害、地震、火事、交通事故、犯罪の発生その他の変事に際し、正当な理由がなく、
現場に出入するについて公務員若しくはこれを援助する者の指示に従うことを拒み、
又は公務員から援助を求められたのにかかわらずこれに応じなかつた者
九 相当の注意をしないで、建物、森林その他燃えるような物の附近で火をたき、
又はガソリンその他引火し易い物の附近で火気を用いた者
十 相当の注意をしないで、銃砲又は火薬類、ボイラーその他の爆発する物を使用し、又はもてあそんだ者
十一相当の注意をしないで、他人の身体又は物件に害を及ぼす虞のある場所に物を投げ、注ぎ、又は発射した者
十二 家畜に害を加える性癖のあることの明らかな犬その他の鳥獣類を正当な理由がなくて解放し、
又はその監守を怠つてこれを逃がした者
十三 公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、
又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、演劇その他の催し若しくは
割当物資の配給を待ち、若しくはこれらの乗物若しくは催しの切符を買い、若しくは割当物資の配給に
関する証票を得るため待つている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱した者
十四 公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者
十五 官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに
準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、
記章その他の標章若しくはこれらに似せて作つた物を用いた者
十六 虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者
十七 質入又は古物の売買若しくは交換に関する帳簿に、法令により記載すべき氏名、住居、
職業その他の事項につき虚偽の申立をして不実の記載をさせた者
十八 自己の占有する場所内に、老幼、不具若しくは傷病のため扶助を必要とする者又は人の死体
若しくは死胎のあることを知りながら、速やかにこれを公務員に申し出なかつた者
十九 正当な理由がなくて変死体又は死胎の現場を変えた者
二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、
ももその他身体の一部をみだりに露出した者
二十一 削除
二十二 こじきをし、又はこじきをさせた者
二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような
場所をひそかにのぞき見た者
二十四 公私の儀式に対して悪戯などでこれを妨害した者
二十五 川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者
二十六 街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者
二十七 公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者
二十八 他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、
又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとった者
二十九 他人の身体に対して害を加えることを共謀した者の誰かがその共謀に係る行為の
予備行為をした場合における共謀者
三十 人畜に対して犬その他の動物をけしかけ、又は馬若しくは牛を驚かせて逃げ走らせた者
三十一 他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者
三十二 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入った者
三十三 みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の看板、
禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した者
三十四 公衆に対して物を販売し、若しくは頒布し、又は役務を提供するにあたり、人を欺き、
又は誤解させるような事実を挙げて広告をした者
第二条 前条の罪を犯した者に対しては、情状に因り、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科することができる。
第三条 第一条の罪を教唆し、又は幇助した者は、正犯に準ずる。
第四条 この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、
その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。
附則
1 この法律は、昭和二十三年五月二日から、これを施行する。
2 警察犯処罰令(明治四十一年内務省令第十六号)は、これを廃止する。
附則(昭和48年 法律第105号)(抄)
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。
(罰則に関する経過規定)
2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
【軽犯罪法についての店長の見解】
およそ法律とは無縁の生活を過ごしている方が殆どだとは思いますが、スタンガン・催涙スプレー・特殊警棒などの護身用品を携帯する事が軽犯罪法に触れる以上、事前に法律をご理解された上で護身用品を購入される事をお勧めします。
国内での治安はますます悪化の一途を辿っている現状の中、素手で我が身を守れる方には必要ない護身用品ですがストーカーや痴漢あるいは脅迫者達から身を守る術の無い女性や非力な方達にとって護身用品は必要不可欠なアイテムです。
しかしながら購入した護身用品を自宅で使用したり保管する事には問題はありませんが、
携帯して外出する事は軽犯罪法第一条の二に触れる事になります。
これは警備員でもないのに町中でスタンガンや警棒を持ち歩いてる人を見た一般の方は間違いなく脅威を感じる事と警官が事前に起こり得る犯罪を防止する効果がある為だと思われます。
つまり護身用品であろうが、そうでなかろうが殺傷能力がある物を持ち歩く事を規制している法律と言えます。
全文を読むと中にはマナーや公衆道徳に近いものまで記載されていて、違法とは知らずに軽犯罪法に触れる生活している方も多いのではないでしょうか。
ここで問題なのは軽犯罪法は理解した上で護身用品を携帯せざるを得ない状況があるのかどうかと言う事です。
多発する事件に対して限られた数で対応する警察官では何度相談しても民事介入できる範囲は限定されていて事件発生前に自身の不安を完全に取り除く事はほぼ不可能かと思われます。
人によっては会社への行き帰りなども含めて外出中に常時ストーカーなどの監視下で身の危険に怯える方もいるかと思います。
法律が存在する以上、私共が護身用品の携帯を推奨することは有り得ませんが、自身で護身用品を携帯せざるを得ないと判断した場合は必ず以下の点に十分注意して下さい。
①第三者の目に簡単に触れるように携帯しない事。
②護身用スプレーが入ったバッグ等を直射日光に晒さない事、ファンヒータやストーブの近くなど
高温になる場所に置かない事。
③携帯した護身用スプレーは凹みや液漏れがないかを日々点検する事。
④万が一にも護身用スプレーが漏れた事を考えて、スプレーの処理などを事前に把握して
被害を最小限に留める事。
⑤警察官に職務質問を受けるような不審な行動はとらない事。
ここで参考までに職務質問と軽犯罪法が適用されたケースについて記載します。
一般人が自転車に乗っている時に警察官に呼び止められ盗難車かどうかの職務質問を受け自転車の所有者を調べられる事はよくありますが自転車が本人所有の場合、持ち物検査までされる事は殆どありません。
また町中でよほど不審な行動を取らない限り殆どの方は職務質問を受ける事なく生活をしています。
ではどんな時に職務質問を受け尚且つ持ち物検査までされるケースがあるかと言うと歓楽街などで他人と素手で喧嘩をし警察官に任意同行を求められた場合、所有物及び車の中まで検査される場合があります。
この時に何か護身用品を所有していた場合は間違いなく軽犯罪法が適用されます。
これは他人に危害を加える人間が護身用品を所有した場合、武器と見なされるからだと思われます。
このことは何も無くても暴力団員が護身用品を持っているだけで十分に相手に脅威を与える事から同様の判断がなされます。
また金融業者が取り立て・回収時にお客にチラリとでも警棒などの護身用品を見せた場合も同様で相手に十分な脅威を与えるわけですから軽犯罪法が適用される事になります。
町中でたんつばを吐く事と同様に護身用品を携帯する事は軽犯罪法違反なのですが、止むを得ず護身用品を所有される方にはモラルが問われます。
護身用品への自己管理を徹底し、また第三者に脅威を与えないよう十分配慮する必要がございます。